2023-01-01から1年間の記事一覧

ビクトリア朝では「病気がち」であることがステータスだった

アガサ・クリスティの自伝を読んでいて興味深いと感じたことの一つに、彼女の少女時代、ビクトリア朝のイギリスでは女性たちのあいだで「病気がち」であることが流行していたというエピソードがあった。病気そのものではない。「病気がち」が流行っていたの…

焼き付けるということについて

旅の最中は、今よりもSNSとの距離が近かった。だから、ある経験に遭遇すると、よくこう考えた。これは投稿するべきか、と。だいたいぼくはそういうとき、やめておこう、という結論を出した。 SNSでの発信が活発な人間について、彼らの「承認欲求」というモチ…

違う旅

渡航制限が解除され、いよいよ娯楽としての海外旅行が復活した。渋谷や新宿を歩けば、外国人の多さに驚かされる。長旅から帰国してコロナがあり、しばらく経ってからぼくは知ったが、ぼくが旅をしていた2018年から2019年にかけては、歴史的に見ても右肩上が…

心のどこかにある「またやっちゃった」という思い

量産型の情報通と、アドレナリンの出るトピック コロナのことで、右往左往したり、ひどい潔癖になってしまったり、あちこちに腹立たしい思いを感じて毎日を過ごすことになった人たちのことは気の毒だとも思う。きっと心のどこかに「またやっちゃった」という…

若さと明るさと『モダンラブ・東京』について

若いとは言えない年齢になってきている。体力がガクッと落ちたり、急速に顔がオジサン化してきているわけではないが、それでも大学生くらいの人間を見ると彼らの佇まいが自分とはまったく違っていることに気づかされる。なにが違うのだろう。今のところは、…