【日本/東京/杉並区】環状七号線

十二月の頭からジョギングが日課になっている。夜の環七を走るのだ。

ぼくはこれまで何度かジョギングを日課にしようと試みたことがある。しかしこれまではその全てに失敗してきた。今回初めてぼくは、ジョギングの習慣化に成功している。毎日走っている。大晦日だろうが元旦だろうが毎日だ。毎日走るようになってから、日本の冬は極めて雨が少ないことを知った。ジョギングが雨天中止になったことがこの一ヶ月半で一度もないのだ。

なぜ今回は三日坊主にならなかったのだろうか? 旅を終えて、忍耐力がついたのだろうか? 違う。おそらく理由はもっとシンプルかつ物質的。まず第一に今のぼくには融通の効かせやすい時間があるのだ。そして道具を揃えた。新宿の Victoria に出かけて上下のジョギング用ウェアとシューズを一式 UNDER ARMOUR で揃えた。ジョギング後は必ず風呂に入って、風呂から上がったら必ずビールを飲むことにした。それらがうまいこと (美味いこと美味いこと) ハマっているのだ。

なぜジョギングをするのだろうか? その目的は? 自慢じゃないけどぼくはなにをどう工夫してもお肉のつかないボデーをお持ちなのでダイエットが目的ではない。これ以上痩せちゃ困るくらいだ。もっとも直接的な理由はきっと、村上春樹の本を読んだからだ。彼は『走ることについて語るときに僕の語ること』という面倒くさい文体のエッセイを書いている。その影響だ。ぼくも村上春樹のように身体を鍛えることで習慣を律したい、精神力を養いたい、面倒くさい文体で文章を書きたい、そう思ったのだ。

 

走ることについて語るときに僕の語ること (文春文庫)

ブログタイトルの「環七」は「環状七号線」の略である。環状七号線は、東京都内を山手線のように環状に走っている車道の名前だ。正式名称を「東京都道318号環状七号線」という。

ブログタイトルは沢木耕太郎がささやかな東京ライフを書き散らかすエッセイ『246』にちなんでいる。『246』も『走ることについて語るときに僕の語ること』と同じで帰国後に読んだ本の一つだ。沢木耕太郎が自宅から仕事場に向かうときに必ず通る道が国道246号線であるところに由来する。

 

246 (新潮文庫)
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ぼくの日常は246ではなく、環七と共にある。環七を歩いて「ローソン」に行きメガラテを買う、環七を歩いて「プロント」に行きカプチーノを飲む、環七を歩いて「上島珈琲店」に行き黒糖ミルクコーヒーを飲む、環七を歩いて「カクヤス」に行きビールを仕入れる。旅ブログのような、未知の事柄について書かれた長い文章を読むことが習慣化されていない日本語初学者に向けてこのブログを書くことにした。失礼、今のは冗談だ。

このブログを立ち上げるのを思いついたのはほんの数時間前。日々思ったことや、ちょっとしたアイデアを記録に残す習慣を付けたいと思い立ったのがまず先にある。ただメモに残すだけじゃ続くかどうか怪しいから、旅のときみたいにブログにしてみたらきっと続くだろうと目論んでいる。

末長く続けるブログではない。でも人生のある時期やある一日をこうして克明に残してみるのはきっと意義あることだと思う。ましてやそれが長い旅を終えたあとの一年ならなおさら。あるいはもしかしたら、こうして書き手の誰かに克明に残されてしまう恐怖感でぼくは一日を理性的に過ごせるかもしれない。

テーマソングはフラワーカンパニーズの『感情七号線』できまり。